セミフレキシブルケーブルの定格電力
セミフレキシブルケーブルは、外部導体の絶縁に樹脂シースを使用します。樹脂シースの材質は、ケーブルの耐熱温度、柔軟性、耐環境性などを考慮して選択されます。ケーブルの定格電力は、シースの耐熱温度によって制限されます。
·周囲温度25℃、自然冷却時の定格電力
ケーブル種別 | ||||
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SXL-12F | SX-22FPU | SX-36FPU | ||
シース材質 | ETFE | PVC | PVC | |
耐熱温度 | 150℃ | 105℃ | 105℃ | |
周波数 | 1GHz | 30W | 45W | 125W |
5GHz | 15W | 20W | 50W | |
10GHz | 13W | 16W | 35W | |
18GHz | 10W | 13W | 25W |
·周囲温度25℃、強制空冷時の定格電力
ケーブル種別 | ||||
---|---|---|---|---|
SXL-12F | SX-22FPU | SX-36FPU | ||
シース材質 | ETFE | PVC | PVC | |
耐熱温度 | 150℃ | 105℃ | 105℃ | |
周波数 | 1GHz | 75W | 125W | 300W |
5GHz | 35W | 60W | 145W | |
10GHz | 30W | 45W | 100W | |
18GHz | 25W | 35W | 75W |
·定格電力の算出モデル
セミフレキシブルケーブルの内部導体、絶縁体、外部導体を一体の発熱体とみなし、高周波信号の減衰による損失をすべて熱に変換します。この熱は、外部導体から樹脂シース表面まで熱伝導によって移動し、樹脂シース表面から空気中へ放熱されます。シース表面からの熱伝達と熱放射による放熱と、ケーブル内部での発熱が平衡する温度を算出します。この平衡温度がシース材の耐熱温度と等しくなる電力を、定格電力としています。
·算出に利用した物性値
ETFE材の熱伝導率:0.25W/mK
PVC材の熱伝導率:0.2/mK
自然冷却の対流熱伝達率:5W/m2K
強制空冷の対流熱伝達率:25W/m2K
シース表面の放射率:0.9
強制空冷の風速:0.5m/s
これらの値は一般的な代表値であり、ケーブルの実際の設置環境によって大きく変動する可能性があります。ケーブルを選定する際は、十分な余裕を見てください。