同軸ケーブルの遮蔽性能

技術部 福田 裕実

同軸ケーブルの遮蔽性能は、外部ノイズの侵入や信号の漏洩を防ぐ能力を示しdBで表します。遮蔽性能は、外部導体の構成によって大きく異なるので、以下にその構成と特徴を示します。
 
• 編組シールド(Braid Shield)/フレキシブルケーブル
編組は金属線を編み込んだ構造で柔軟性に優れますが、網目があるため高周波域での遮蔽性能はやや劣ります。遮蔽性能は一般に 40~80 dB 程度です。
 
• 編組シールド+メッキ(Plated Braid Shield)/セミフレキシブルケーブル
編組にすずメッキをすることで、編組の電気的接続が安定し、遮蔽性能が向上します。60~100 dB 程度の遮蔽性能を得られます。
 
• テープ + 編組シールド(Foil + Braid Shield)/ミリ波対応フレキシブルケーブル
アルミ箔や銅箔のテープと編組を組み合わせた構造です。高周波域での遮蔽性能が向上し、90~110 dB の遮蔽性能を得られます
 
• 金属管シールド(Tube Shield)/セミリジッドケーブル
継ぎ目のない金属管を外部導体に使用するので遮蔽性能は極めて高いです。遮蔽性能は120~140 dBと、他の構成を大きく上回ります。ただし、柔軟性に欠けるので専用の加工機で所望の寸法に曲げて提供されます。
 
外部導体の構成は、使用環境や求められる信号品質に応じて適切に選択する必要があります。例えば、高周波ノイズが多い環境では「テープ+編組」や「金属管」が推奨されます。一方で、柔軟性が求められる場合には「編組」が適しています。

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