照度と発電量の関係について

企画開発課 等々力修司

今回は、ソーラーパネルがどれくらいの明るさで発電(充電)を開始できるのかを考えてみます。ソーラー充電では、ソーラーパネルに光が当たらないと発電できませんが、具体的にどの程度の光量が必要なのでしょうか?
よく寄せられる質問に対し、定量的な回答が難しいため、この機会に一度まとめてみました。
 
1.放射照度と照度の関係
ソーラーパネルの発電量は「照度」と比例します。ここで、照度には次の2種類があります:
放射照度([W/m²]): 光のエネルギー量を示します。
照度([lx]): 人間の目が感じる「明るさ」を表します。
例えば、放射照度1,000[W/m²]は、おおよそ100,000~120,000[lx]に相当します。これは晴天時の直射日光に近い明るさです。
以下の図1は、放射照度とソーラーパネルの発電量の関係を示したグラフです。

 
また、ソーラーパネルの出力は照度だけでなく、温度にも影響されます。一般的に、気温が低く照度が高い条件で最も発電効率が向上します。
 
2.WSCシリーズにおける充電開始(停止)の明るさ
当社の充電モジュール「WSCシリーズ」は、どのくらいの明るさで充電を開始・停止するのでしょうか?
実験結果によると、充電が始まる照度は約1,000~2,000[lx]です。
この明るさは、次のような時間帯に相当します(長野県松本市の場合):
夏至: 朝6時、夕方18時30分
冬至: 朝8時、夕方16時30分
照度と明るさの具体的な関係については、下記の表1をご覧ください。
さらに、「WSCシリーズ」はMPPT(最大電力点追従)機能を搭載しており、弱い光でも効率的に発電できます(図2参照)。
例えば、実験データでは朝6時よりも早い時間に充電を開始していることが確認できました。
また、ソーラーパネルの電圧を観察すると、図3の赤丸部分から、WSC10008が日の出直後にMPPT動作(充電動作)を始めていることが分かります。
 

 

 

 
まとめ
当社の「WSCシリーズ」は、人が「明るく感じる時間帯」であれば充電を開始・停止すると説明できます。
これにより、弱い光でも効率的に電力を取り出せるため、幅広い環境で活躍します。

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